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2013年9月25日 (水)

映画 『ワン・ツー・スリー』

監督・製作:ビリー・ワイルダー、脚本:ビリー・ワイルダー 、I・A・L・ダイアモンド、音楽 アンドレ・プレヴィン、主演:ジェームズ・キャグニー、1961年、109分、モノクロ、アメリカ映画、原題:ONE,TWO,THREE

コメディ映画である。ドイツ語も出てくるが、MGM映画である。
よくできた、いわゆるスラップスティック・コメディで、アドリブによるドタバタ喜劇ではない。
タイトルは内容を暗示しているが、セリフにも出てくる。

名監督ビリー・ワイルダーには、これより後に作られる、マリリン・モンロー主演の『お熱いのがお好き』など、コメディも多い。
悪女をテーマとしたシリアスな作品『深夜の告白』や『情婦』を作った同じ監督とも思えない。彼の映画人としての真髄は、映画は芸術というより娯楽である、というものであった。

元々脚本家としてデビューしているので、ストーリー展開は職人肌で、どの作品もまことにみごとだ。ただ、それゆえ、脚本に力がありすぎて、勢い、セリフが多くなるのは、コメディでもシリアスでも同じである。字幕スーパーを見るのに忙しくなるときがある。本来は字幕なしで観れたらよい。

この作品は、小さい頃、テレビで観たことがある。一回しか観ていないはずだが、その後、映画にのめり込んでいくに従い、主演のジェームズ・ギャグニーを知り、ワイルダーも知り、いつかもう一度観たいと思っていたところ、今年4月、20世紀フォックス・ホームエンターテイメント・ジャパンから STUDIO CLASSICS として出された。

東西冷戦下の西ベルリンにある、コカコーラの西ベルリン支社長マクナマラ(ジェームズ・ギャグニー)が主役だ。
アメリカにある本社社長から、その令嬢がヨーロッパ旅行に出かけたついでに、西ベルリンにも行くので、その面倒をみると同時に、危険なところに出かけないように監督してほしいと頼まれる。
これをうまくやれば、晴れて、ロンドン支社長へと栄転することになっている。

ところが、令嬢スカーレットはおてんば娘であり、東ベルリンに入り、共産主義者の青年と出会い、結婚まで済ませてきたという。これがそのまま社長に知られては、自分の監督不行き届きとなり、それどころか出世の道も閉ざされてしまう。
しかも、社長夫妻は、近々西ベルリンにやってくることになった。……

セリフには、実際の固有名詞が多く使われている。それ以上に、ソ連側への皮肉や社会風刺も効いており、心理劇的コメディではなく、東西冷戦が皮肉られたり滑稽に扱われたりと、政治風刺映画のようでもある。

会話が多く、まさに、ワン・ツー・スリーといったスピード感をもった展開で、一気に突き進んでいく。
タイトルバックや途中に、ハチャトゥリアンの『剣の舞』が使われていることからも、その忙しい展開が予想できるだろう。

ジェームズ・ギャグニーは、もともとギャングなどの悪役が多かった。ここでは、社長令嬢に振り回される滑稽な人物を演じている。

彼の出演作品では、『汚れた顔の天使』(1938年)のワンシーンが思い出深い。ドリス・デイと共演した『情欲の悪魔』(1955年)もまた観たいが、なかなかDVD化は難しいかもしれない。ドリス・デイの『Love me or Leave me』が主題歌となった映画だ。

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