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2013年1月27日 (日)

士魂部隊・池田末男連隊長の活躍

千島列島・占守(シュムシュ)島は、静かに終戦の日を迎えた。

占守島は、カムチャツカ半島南端のロパートカ岬に向き合う、千島列島最北端の島である。夏は15°、冬は-15°になり、夏は濃霧、冬は吹雪に視界が遮られる。
この地から帰還した兵士が語るYouTubeもある。

南方やシナと違い、それまで大きな戦闘もなく、糧食はかなり豊富に残っていた。ただ、そういう地域であったから、一個師団が列島に散在させてあるだけだった。戦車も馬も相当多く配備されていたというわけではない。

戦況好転しないなか、満洲から転属されてきた戦車第十一連隊は、大陸では優れた活躍をみせていた。十一を一字にして士の字とし、通称、士魂部隊と呼ばれていた。その連隊長は池田末男という男である。
もともと騎兵の出身で、騎兵学校の教官も務めた男だから、馬ひとすじの軍隊生活であった。部下の信頼も厚かった。

玉音放送のあった翌日、隊員に対し訓示した。
「諸君は今日まで、規律正しく労苦に耐え、よく健闘してくれた。指揮官として心から礼を言う。今日の壕掘りはもう中止するから、充分休養をとれ。」

敗戦という屈辱のなか、むしろ、一人として部下を失わず、それを誇りとした訓示であった。

管轄の第五方面軍司令部からは、こういう趣旨の打電が届いていた。

「18日16時をもって停戦とする。これから軍使を派遣する。武装解除の準備を進めるように。なお、万が一、敵が戦闘をしかけてきたときは、自衛のための戦闘は妨げない。」

ここにいう敵とは、無論アメリカのことであった。そこで、島の北方の竹田浜に大砲が設置されたが、一応の用意をしただけであった。

ところが、18日午前2時、その竹田浜より、敵が上陸する。それは何とソ連であった。21日まで続くいわゆる占守(シュムシュ)島の戦いの始まりである。

終戦三日後の深夜に、彼らにとっては思いもよらぬ戦闘が始まったのである。……

この急転直下の状況に面し、池田は部下に訓示する。
「我々は、大詔を奉じ、家郷に帰る日を胸にして、ひたすら終戦業務に当たってきた。しかし、事ここに至った。そこであえて諸君に問う。諸氏は赤穂浪士となり、恥を忍んでも将来に仇を報ぜんとするか、あるいは白虎隊となり、玉砕をもって民族の防波堤となり、後世の歴史に問わんとするか。」

池田以下士魂部隊は、四嶺(しれい)山を舞台に、山の両側からソ連軍を追い詰め、カムチャツカ半島に追いやり、大和民族の防波堤となった。
その戦いのなかで、池田は死亡する。戦車の中で立ったままの姿だったという。

一方、戦闘に巻き込まれないよう、日魯(にちろ)漁業で働く女子従業員ら約2500名を、管轄の第91師団は、霧のなか船に乗せて、北海道へと避難させた。

ポツダム宣言受諾の終戦詔勅のあとに、なお日本領土に攻め入るソ連は卑怯千万である。それより前、日ソ中立条約がいまだ有効の段階で、裏取引きをしたからには、米国に取られてなるものかと、広島への原爆投下の二日後に一方的に宣戦布告し、満洲にも入り込んできた。
突如、千島列島になだれ込んできたソ連は、それだけでも許せないし、野蛮人そのものである。強姦したいのに、女はいず、ケダモノのようなソ連軍には逆に多くの犠牲者を出す。

日本軍の死傷者800名前後であるのに対し、ソ連軍のそれは3000名以上とも言われる。イズベスチア紙は、ソ連にとっては満洲、朝鮮における戦闘よりも被害甚大であり、8月19日はソ連人民にとって悲劇の日となった、としている。

しかし、当時、そんな政治的現実を知らず、とにかく、日本領土を守るためだけに、終戦の詔勅が流れたあとでさえ、池田末男連隊長以下各隊員、師団の将兵は、身を挺して戦った。彼らに深い感謝の気持ちを捧げすにはいられない。

もしかしたら、彼らの戦いがなければ、北海道内地にまでソ連が土足を踏み入れたかもしれないからだ。実際、水晶島まで乗り込んできている。

北方領土については、いまだ明確に解決されていないものの、本土防衛のため戦った彼らの存在があったということは、決して忘れてはならない事実だろう。

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